自己破産したら、何が出来んようになるんか。
調べたら、たいてい同じような一覧が出てくる。クレジットカードが作れん。ローンが組めん。官報に載る。職業制限がある。全部正しい。俺も先生から説明を受けた。
けど、あの一覧を読んでも分からんことがある。
それで、実際どうなるんや。
この記事は、破産して2ヶ月ほど経った俺が、その一覧を自分の生活に当てはめてみたもんや。制度の説明はもうあちこちにある。俺が書けるのは、実際どうやったかの方や。
先に結論を言う。
今のところ、何もない。
借金がなくなったこと以外、生活はほとんど変わってへん。
ただしそれは、俺がまだ試してへんことが多いからでもある。そこを隠して「破産しても何ともないで」って書くのは嘘になる。
せやからこの記事は、4つに分けて書く。
- 実際に起きたこと
- 何も起きんかったこと
- まだ試してへんこと
- 俺には分からんこと
「出来ません」って断言するのは、後ろの2つではやらん。俺が確かめてへんことやからや。
⚠ 大事なこと
この記事は俺個人の記録や。俺は弁護士でも司法書士でもない。書いてあるのは、同時廃止で手続きが終わった、独り身の、破産から2ヶ月時点の一例でしかない。管財事件になった人、家族がおる人、持ち家や車がある人、職業制限に当たる仕事の人は、話がまるっきり変わる。制度の話は必ず弁護士か司法書士に確認してくれ。
まず一覧で出す
左が一般に言われとること、右が俺の実際や。
| 項目 | 一般に言われとること | 俺の実際 |
|---|---|---|
| 銀行口座 | 借入のある銀行は凍結されうる | 起きた 一時凍結された。今は普通に使えとる |
| 賃貸の審査 | 保証会社の審査が厳しい | 起きた 2社受けて1社落ちた。1社は通った |
| 生命保険 | 解約返戻金が財産として見られることがある | 起きた 履歴の確認で少し聞かれた |
| 携帯の契約 | 契約自体に制限はない | 何も起きず 止められてない |
| 公共料金・家賃 | 制限なし | 何も起きず 支払い方法も変わってへん |
| QR決済・サブスク | 制限なし | 何も起きず 問題なく使えとる |
| 仕事 | 一部の職業に制限がある | 何も起きず 俺の仕事は対象外。会社にも知られてへん |
| 官報 | 掲載される | 何も起きず 載る説明は受けた。それだけ |
| 引っ越し | 管財事件だと手間が増える | 何も起きず 同時廃止が決まるのを待って引っ越した |
| クレジットカード | 一定期間作れんとされる | 未経験 破産の前からとっくに無い。破産後も申し込んでへん |
| 携帯の端末分割 | 割賦なので審査がある | 未経験 まだ試してへん |
| 車のローン | 組めん | 未経験 そもそも車を持ってへん |
| 保証人になること | 審査が通らん | 未経験 頼まれる場面がなかった |
| 旅行 | — | 分からん 手続き中に話が一度も出てこんかった |
| 家族への影響 | 家族の信用情報には影響しないとされる | 分からん 独り身やから分からん |
「起きた」は3つしかない。
しかもそのうち2つ——口座の凍結と保険の確認——は、手続きの最中の話や。破産が終わったあとに起きたことやない。
1. 実際に起きたこと(3つ)
銀行口座は、一時凍結された
借入のある銀行の口座は持ってた。受任通知のあと、数ヶ月凍結される可能性があるって説明は事前に受けとった。給料の振込先になってたから、振込先を変更して対応した。
その間は別の口座を使った。今はもう普通に使える状態になっとる。
事前に聞いとったから、口座は空にしてあった。ここは説明を受けとったおかげで何も損してへん。
給料の振込先になっとる口座に借入がある人は、ここだけは先生に必ず先に言うといた方がええ。
賃貸は、2社受けて1社落ちた
手続き中に引っ越した。家賃を下げるためや。
仲介業者に「破産中やから審査が通りにくいかも」って事前に伝えといたら、「ここ厳しいからもう一個も申請しときましょか」って流れになって、案の定、厳しい方は落ちた。
落ちたのは保証会社の審査や。理由はもちろん教えてもらえん。
ただ、落ちたのと同時に「もう一個の方は通りましたよ」って一緒に教えてくれたから、ここでのダメージはそんなになかった。
生命保険は、履歴の確認で少し聞かれた
以前に生命保険に入ってて、その話もした。先生に依頼する時点ではもう解約済みやった。
ただ、口座履歴に返戻金が残ってたから、履歴の確認のときに少し聞かれた。それくらいや。
解約返戻金は、金額によっては財産として見られることがあるらしい。金額の線引きは裁判所によって違うみたいやから、保険に入っとる人は先生に必ず言うた方がええ。
以上や。実際に何かが起きたのは、この3つだけ。しかもうち2つは手続きの最中の話で、破産が終わったあとに起きたことやない。
2. 何も起きんかったこと
ここが、たぶん一番読者の役に立つ章やと思う。
携帯は、止まってへん
契約はそのまま続いとる。止められたことはない。支払いは口座振替のままで、変えてもない。
公共料金も家賃も、何も変わってへん
支払い方法も変えてない。QR決済も問題なく使えとる。サブスクはデビットで通っとる。
この辺は、正直「何も起きんかった」としか書きようがない。
仕事は、何もなかった
俺の仕事は職業制限に当たるもんやなかった。会社に知られる場面もなかったし、破産のせいで仕事で困ったこともない。
ただしこれは俺の仕事がたまたま対象外やったってだけの話や。警備員とか保険の外交員とか、士業とか、手続き中は就けん仕事がある。自分の仕事が当たるかどうかは、先生に必ず確認してくれ。
官報は、載る説明を受けた。それだけ
事前に「官報に載ります」って説明は受けた。
そのあと、何も起きてない。
誰かに何か言われたこともないし、何かの手続きで引っかかったこともない。自分で官報を見にも行ってへん。
「官報に載る」は一覧に必ず書いてある項目やけど、俺の生活では、今のところ何一つ起きてない。
引っ越しは、止められてない
引っ越しについては先生から「管財事件になったら手続きがややこしくなるから、どうなるか決まってからの方が楽かも」とは言われた。
禁止やなくて、段取りの話や。俺はその助言に従って、管財事件にならんのが決まってから引っ越した。
その「管財事件になるかどうか」の話は、こっちに書いた。
→ 「管財になるかは五分五分ですかね」と言われた自己破産。思ってたより怖くなかった話
3. まだ試してへんこと
ここからは、俺がまだやってへんから答えられんところや。
「出来ません」とは書かん。俺が確かめてへんことを断言するのは、この記事でやったらあかんことやと思っとる。
クレジットカードを新しく作ること
そもそも俺は、破産する何年も前から、カードを1枚も持ってなかった。属性が悪くて作れんかったからや。
そんで、破産してからも一回も申し込んでへん。
信用情報に事故の記録が残るから通らんはずや、とは思っとる。けど、申し込んで断られたわけやない。試してへんもんは試してへん、としか書けん。
ただ、申し込む必要がないっちゅうのが正直なところや。デビットカードで払えるし、サブスクもデビットで通っとる。カードがなくても生活は回っとる。
そこは1本記事にしたから、そっちを読んでほしい。
携帯の端末を分割で買うこと
まだ試してへん。
端末の分割は割賦販売やから、信用情報を見られる。せやから通りにくいはずや、とは思っとる。けど、これも実際に申し込んで断られたわけやない。
今使っとる端末が壊れたら試すことになる。そのときは記事にする。
車のローン
そもそも車を持ってへんし、今後組む予定もない。せやから俺には書けん。
保証人になること
頼まれる場面がなかった。今後なる予定もないし、正直、今のところ気にもしてへん。
住宅ローン
言うまでもなく、まだや。
4. 俺には分からんこと
旅行
手続きの中で、旅行の話は一回も出てこんかった。
「旅行はあかん」とも「ええよ」とも言われてへん。俺自身、手続き中に旅行もしてへん。
せやから、破産の手続き中に旅行がどう扱われるんかは、俺は知らん。
ネットで見かける話もあるけど、それは俺が経験したことやない。気になる人は先生に聞いてくれ。それが一番早い。
家族への影響
これは読者が一番不安がるところやと思う。家族の信用情報はどうなるんか、家族カードはどうなるんか、子どもの奨学金はどうなるんか。
俺は独り身やから、分からん。
一般には「家族の信用情報には影響しない」と言われとる。けど、俺はそれを自分の生活で確かめてへん。確かめてへんことを、さも経験したみたいに書くわけにはいかん。
家族がおる人は、そこを最初に先生に聞いてくれ。俺が書けるのはここまでや。
で、2ヶ月経って一番不便なことは何やったか
何もない。
強がりやなくて、本当に何もない。生活で「これが出来へんから困っとる」ってことが、今のところ一個もない。
ただ、これには理由がある。
俺は、引っ越しのときの保証会社以外、審査というものを受けてない。
カードも申し込んでへん。端末の分割もやってへん。車も家も買おうとしてへん。保証人にもなってへん。つまり、信用情報を見られる場面に、ほとんど出ていってへんってことや。
そこに出ていったら、たぶん落ちる。それは分かっとる。
せやから正確に言い直すと、こうなる。
信用が要る場面に出ていかん限り、生活はほとんど変わらん。
出ていったら、しばらくは通らん。
これが、破産して2ヶ月の時点で俺が言える全部や。
そして、変わったことは一個だけある。借金がなくなった。それだけが変わって、あとは何も変わってへん。
これから破産する人へ
俺が書けるのは、俺に起きたことだけや。
- 実際に何かが起きたのは3つだけ。しかもうち2つは手続きの最中の話やった
- 携帯も公共料金もQR決済も仕事も官報も、何も起きんかった
- カード・端末分割・車のローン・保証人はまだ試してへん。せやから「出来ん」とは書かん
- 旅行と家族への影響は俺には分からん
返済がどうなるか、住む場所がどうなるかは、別で書いた。
相談先を探しとるなら
ここから下は広告や。俺が実際に世話になったのは弁護士会の相談センターで、下に出す事務所やない。そこは正直に書いとく。ただ、どっちも無料で相談できる。費用の相談から入ってええ。
借金額が多い場合(140万円超)や、自己破産・個人再生まで考えとるなら、弁護士や。司法書士は140万円以下しか扱われへん。
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最後に
自己破産したら人生が終わる、みたいに思っとる人がおるかもしれん。
俺が2ヶ月やってみて言えるのは、終わってへんってことや。カードは作れんし、審査には落ちる。それは本当や。けど、飯は食えるし、家はあるし、仕事も続いとる。
俺が大事にしとる言葉が2つある。
ひとつは、両学長の「今日が人生で一番若い日」。もうひとつは、酒井雄哉さんの「一日一生」。
どっちも、過ぎたもんを数えるんやなくて、今日から始めろっちゅう話や。
借金で首が回らんようになっとる時は、目の前が真っ暗に見える。俺もそうやった。けど、そんなことはない。一回リセットして、本気でやり直したらええ。
生きてたら、ええことある。
一緒に立て直そう。
